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2011年02月05日

屋上防水改修工事

こんばんは 草間です。

今週月曜日より開始していた防水改修工事が完了しました。

現場は川口市内の工業地域に有る鉄製品の加工業をされているS様です。
建物は鉄骨造で造られているのですが、大きな鋼材を場内クレーンで移動する為、振動や揺れが常に起きている状況です。

それに加えて経年での劣化も有り、漏水が起きてしまっていました。
IMG_0298.JPG

工事前の状況としては、ALC下地にアスファルト防水、その上にシート防水が施工されている状況でした。
どちらも下地に対して全面接着するタイプの防水工事で、一般的な工法と言えますね。

IMG_3654.JPG

しかし、そもそも一層目のアスファルト防水が下地から剥離し、シート防水層ごと大きな気泡状態に・・・。
また前述した通り振動や揺れ、また経年劣化による樹脂部分の亀裂から漏水していると判断しました。

そこで今回は工法は絶縁工法と云われるものを提案させて頂きました。
下地と全面接着せずに防水層を構築する工法で、建物の動きに必要以上に追従せずに部分固定による防水層を構築する工法です。

今回は三星の「ビュートップ」と云う製品で施工させて頂きました。

以下、工法・工程のご紹介です。

まずポリエチレンシートを敷設し、塩ビコーティングされたディスクプレートで下地に固定。
また外周部は同じく塩ビコーティングされたL型アングルでシートを固定します。
これは後に敷設する塩ビシートと下地を面で接する事が無い様にする為の工程です。

IMG_3656.JPGIMG_3658.JPG

その上に専用の塩ビ製シートを敷設します。

IMG_3666.JPG

その後、先に施工したディスクプレートとL型アングルの上から超音波を発生する機器で熱を加えます。
要はIHクッキングヒーターの簡易版みたいな感じの機器ですひらめき

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そうすると、部品にコーティングされた塩ビとシートの塩ビ成分が溶着し、躯体に位置固定されると共に、防水構造を形成します。
シート同士の接合は専用の溶剤で溶着し、さらに目地を溶剤と目地材を混合した溶液でコーティングします。

IMG_3668.JPG

そして完成です。

IMG_3674.JPG

今回の様な特殊な条件(揺れや建物の構造)の建物だけでなく、一般的な建物にも利用可能な工法であり、官公庁でも多く採用れている工法です。
一般の戸建住宅には不向きかも知れませんが、ビルや工場等の屋上や陸屋根には選択肢の一つとして有用だと思います。
当然ですが、メーカーと施工会社連名の10年保証で保証書が添付します。

長々と書いてしまいましたが、今回の工法は理に適ったとても良い工法だったので紹介させて頂きました。
施工面積にもよりますが、従来の一般的な工法に比べてもコストも大差有りません。

専門用語が多くて分かりにくい文面かと思いますが、防水部分の改修をお考えの方は是非ともご検討頂きたい工法です。
posted by kusama at 22:11| Comment(0) | SHOWCASE(作品事例)
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